体の成長は積み上げ式

ねんね期の暮らし方が赤ちゃんの成長の土台になります。

 

はじめに

歯並び基礎知識でもご説明していますが、舌を上顎にピタッとつけるためには、赤ちゃんが過ごす姿勢がとても大切で、そり返った姿勢で過ごしていた時間が長いと、筋肉もそのように成長していたり、口での呼吸が常態化していると、体も硬直して、顎を引くこと、まんまるで抱っこすること、ねんね期以降で気をつけたい暮らしかたを実践するのが少し大変になってきます。

 

出産直後で体も心も追いつかない一番大変な時期にこれからご説明する細かなことを実践するのはとても大変に思うかもしれませんが、一度、目を通し知識として知っておくだけでも自然と赤ちゃんへの接し方が変わり、赤ちゃんの成長をより良い方向へ導いてあげることができます。

 

ねんね期からのスタートが一番楽に実践できるので、もし周りに妊娠中のお知り合いの方がおられましたら、こちらのHPのリンクをご紹介ください!

(紹介リンクはこちら  →     https://umeboshi-daisuki.com/       )

 

この時期のだいたいの発達とポイント

おっぱいを探す探索反射、おっぱいを吸おうとする吸啜反射手のひらや足の裏に触れるとぎゅーっと握る把握反射、大きな音にびっくりして手足を広げる反射など、生きるために備わった反射が沢山出現している時期です。これらの反射はチケット制になっていて、枚数は1人1人違いますが、チケット使い切ることで、その反射が自然になくなっていくと言われています(原始反射の統合)

(大人の私たちは唇に触れてもおっぱいを吸おうとする動きにはつながりませんよね^^;)

 

新生児の時期は特に複数の反射がありますので、それを沢山させてあげてチケットを使い切らせてあげることがとても大切です。この反射が統合されていくことで、自分の意思で思いのままに体を動かせるようになります

 

また、背骨がふにゃふにゃ、肘、膝は屈伸運動のように曲がった状態で頭は左右どちらかを向き、少し後ろにそれ、真正面を向いた左右対称な姿勢維持が難しいこの時期は赤ちゃんの姿勢は大人に左右されます。この時に最も大切なのは、自然に育っていく首の骨の成長の邪魔をしないこと、体の筋肉に左右差を作らないこと、体の緊張状態を作らないことです。

 

これからその方法について説明して行きます。

 

赤ちゃんのみたい!舐めたい!触りたい!という気持ちが体動かし成長させてくれますが体が緊張していたり環境によってそれが、思う存分できないと体の成長の機会を逃してしまいます。

目指す状態はこの時期の成長発達(体に緊張や左右差を生まない)ための行動や体の状態を簡単な言葉や表現で記したものです。

以下の状態でない場合は実践編の授乳の仕方寝かせ方などの各項目をよくお読みください。

 

おっぱいを深く咥えている

 

左右バランスよく授乳、抱っこしている

 

抱っこ、授乳の時に背骨がCカーブを描き、

顎がひけている

 

大の字で眠れている

(平らな場所に寝かせて胸を開かせ、肩の緊張をとる)

 

股関節を左右均等に開かせて抱っこをする(まかない抱っこ)

 

枕を使っている

 

寝ている時に口を閉じている

 

鼻で呼吸をしている

 

口の中を覗いた時に、ベロが上顎についている

 

お腹が柔らかくリラックスしている

 

泣いている時にお顔を真っ赤にして、

大きな口を開けている

 

呼吸がしやすい服装にしてあげる

 

長距離移動を避け

100日まではとにかく安静にしておく

 

大人の都合に赤ちゃんをつき合わせない

 

口元に自分の当ててあげ、手舐めのサポートをしてあげる

体の真ん中を作りをサポートしてあげる

 

体の緊張をとるマッサージをしてあげる

(リズム遊び金魚運動、ベビーマッサージ、身体調和支援、童歌)

 

 

 

おっぱいを深くくわえ、ベロと上顎でしごきながらお乳を飲む動きが顎をを育てます。しかしおっぱいを浅くしか加えられなかったり、抱く姿勢によっては、ベロが思うように動かせません。

 

お乳はおっぱいを先端だけで吸うような浅飲みの状態でもでてしまい、最初に浅のみを覚えてしまうと、深飲みに変えるのが難しい場合があります。

 

深飲みにするためにはいくつかコツがありますので順を追って説明致します。

 

準備(用意するものバスタオルやクッション)

⑴お母さんは前傾姿勢をとる

→ソファーなどにもたれかかった姿勢だと赤ちゃんの顎が上がりやすくなる場合があります。

 

 

⑵赤ちゃんの下半身をしっかり支える

→体の土台である下半身が安定するとベロが動きやすくなります

 

 

⑶おっぱいとお口の高さ、角度を合わせる

→深飲みのためには、深飲みしやすい姿勢が大切です。授乳クッションやバスタオルを使って高 さを調整しましょう

 

 

⑷大きく口を開けてから加えさせる

→赤ちゃんがふぇふぇっと泣いてすぐにおっぱいを与えると口が小さくしか空いていないのでおっぱいを深く咥えることができません。一呼吸おいてお腹から出すような泣き声になるのを待つと口がしっかり開きますので、それからおっぱいをくわえてもらいましょう。

 

 

⑸赤ちゃんの顎が上がらないように気をつける

→赤ちゃんがおっぱいに食いつき、ごくごくと飲み始めたら、顎の角度を調整しましょう。顎が上がっていると、喉の奥に舌が引っ張られて、上顎とベロを使っておっぱいをしごくという顎を最も育てる動きができず、ただおっぱいを飲み込んでいるだけという状態になります。これは哺乳瓶でも同様です。

 

・哺乳瓶の角度に気をつけて

哺乳瓶を使うときに乳首に空気がはいていると、赤ちゃんは空気も一緒に飲み込んでしまいます。お腹に入った空気が原因で赤ちゃんのお腹が硬く張ったり、苦しさからそり返って過ごす原因にもなりますので、哺乳瓶の角度には十分気をつけましょう。

 

抱っこには赤ちゃんの姿勢を正しく整える役割と抱っこしてくれる人に耳をつけて鼓動や声を聞いたり体温を感じたりして安心したり、抱っこにより全身で刺激を感じることで成長が促されたりなど、とても大切です。

 

しかし長い時間行うものだからこそ、体の左右左や緊張につながりやすくもあります。そのようにお伝えすると、正しい方法を実践しなきゃ!と力が入ってしまったり、旦那さんやご家族の抱っこに、ピリピリした気持ちになってしまうかもしれません。

 

覚えていただきたいのは完璧な抱っこはありません。この抱っこ紐を使えば、、、この抱き方をすれば、、、『安心』な方法を求めてしまいたくなるますが、どんなに頑張ってもずーっと同じ姿勢で抱いていたら左右左が出ます。基本として覚えていただきたいのは15分以上同じ姿勢で抱かないということです。

 

とは言ってもようやく赤ちゃんが寝てくれてお母さんの胸の中で次の授乳時間までそのまま寝てしまうということもあるかと思います。

 

こちらの項目では長い時間同じ姿勢で抱き続けた時や、左右左や緊張が出た時のリセット方も書いていますので、やり方を知りつつ、気にしすぎないようにリラックスして抱っこしてあげましょう。

 

下半身を支えたまんまる抱っこに

→人間の体は下半身が安定することで上半身の動きがスムーズになります。

 

赤ちゃんの下半身を安定させるというと表現が難しいのですが、生まれたての赤ちゃんはお腹の中と同じ状態の胎内姿勢を好み、その姿勢で抱っこしてあげることで体の土台が安定し、舌がうまく使えるようになります。

 

ベロを上顎に押し付ける動きは授乳の時だけでなく、唾を飲み込むときにも大切です。自然嚥下といって、大人だと一日に6000回以上は唾を飲み込んでいるため、その際にベロが動いてない状態だと成長の機会を逃すことになります。

 

顎を引く

赤ちゃんを抱っこしているところをパートナーに写真を撮ってもらったり鏡で見てみましょう。顎が上がっていると、口が空いてベロが上顎に付かなくなってしまいます。口が閉じていてもベロはついていないことがありますので、たまに唇をそっと開けて覗いてみてください

 

両手を同じ位置で抱っこしてあげる

赤ちゃんを横抱きしていると、体に接している側の腕のやり場に困ることがあります。赤ちゃんの腕を背中に回した方が抱っこがしやすいのですが、筋肉の左右差を生んでしまいますので、腕は中に入れて抱っこしましょう。腕をお母さんの背中に出さないと赤ちゃんが嫌がるという場合は左右差が出ているかもしれません。

 

こまめに抱っこの向きを変える

どれだけだき方に気をつけていても、左右差は生まれます。大切なのは15分以上同じ姿勢を取らず、こまめに抱く向きを変えてあげることです。無意識に抱きやすい方向でいつも抱いてしまうものなので、あえて抱きにくい方向で抱っこするように心がけましょう。

 

股関節の開き方が左右均等になるように抱っこする

ねんね期の赤ちゃんの足はカエルのように股関節が開いた状態で、抱っこの時に左右同じように開いていると良いのですが、ねんね期のほとんどの時間で行う横向き抱っこだけをしていると股関節の開きが甘くなったり、片側だけがお母さんの体に押し付けられるため、左右差が起こりやすくなります。

 

上の項目でも説明していますが向きをこまめに変えることはもちろんのこと、股関節を開く抱き方としてまかない抱っこというものがあります。

 

この抱き方は赤ちゃんと目を合わせ、胸を開き肩を脱力させることで緊張をとり肩から腕がストンと落ちるように脱力させる抱っこです。(斉藤公子先生さくらさくらんぼリズム遊びより)

 

股関節に左右差が起こると、ずり這い、ハイハイなど『歩行の土台』となる動きが変則的になったり、関節や体が動かしづらいことから、違和感のあるハイハイを覚えてしまうこともあります。YouTubeでまかない抱っこと調べてみると出てきますので、確認してみましょう(この時に赤ちゃんが縦抱きの状態になることがあります。首が据わってない時期の縦抱きは危険です。首に負荷がかからないよに注意しましょう)

 

 

縦抱きをしない

首の据わっていない赤ちゃんの縦抱きは短時間であっても避けましょう。兄弟児がいると赤ちゃんを連れての外出を余儀なくされることもありますが、抱っこ紐は横抱きのものを用意したりベビーカーを使ったり、子守りをお願いできる人がいる場合は赤ちゃんとお母さんはできるだけ家の中で過ごしましょう。(ベビーカーを使用する場合は段差に十分気をつけましょう)

 

抱っこ紐に入れない

この時期の抱っこ紐は発育の妨げになります。

赤ちゃんは体はまだぐにゃぐにゃで抱っこ紐では赤ちゃんをしっかり支えることができません。

赤ちゃんの体は急速な成長をしている最中であり

抱っこ紐を使う場面は赤ちゃんの姿勢をどうしても不自然にさせてしまいます。

 

抱っこ紐は赤ちゃんに大人の用事を付き合ってもらうのにとてもありがたい道具です。しかし今は赤ちゃんに大人が合わせる時期。

 

パートナーや家族、行政の力をうまく借りながら工夫して、抱っこ紐を使わなくて良い環境を作ることに努めましょう。

 

とは言ってもなかなか難しい時もあると思います。そんな時は抱っこ紐に抱っこをしてもらわない。抱っこ紐の使用はあくまで落下防止のためのとし、頭や体を保護者の方の腕でや体でしっかり支え、その体重を親御さんが体で受け止めてあげることが大切です。使用時間は極短時間にとどめましょう。長時間抱っこ紐に入れた場合は体の緊張をとるため、ベビーマッサージや童歌などで体を優しく撫でてあげましょう。(身体調和支援というアプローチ法がおすすめです)

 

 

首を支え、頭を包みこむ枕に寝かせる

実は頭の形の変形は顎の変形にもつながります。赤ちゃんの頭の変形予防のためには枕を使うことが大切です。『まんまる頭の作り方』で詳しく説明していますが。赤ちゃんの頭は床や腕など、継続的に、同じ方向から力がかかることで変形します。

 

生まれたての時は頭が丸くても、暮らし方で変わるのです。特に最初の3ヶ月は変形が起こりやすく、8ヶ月くらいまでは、注意が必要です。

 

特によく寝てくれる赤ちゃんは、抱き起こす時間が少なく、寝かせられたままになりがちで、後頭部がぺったんこになる絶壁という状態になりやすいです。

 

一点からの力がかからないように、赤ちゃんの頭、そして『首』の隙間を埋め、全体をホールドするような枕を使いましょう。

 

一般的に売られている枕を使用し、もし横から見て首に隙間ができているようであれば、タオルなどで隙間を埋めてあげてください。

 

 

すでに頭の変形がある場合は早めにご相談ください。山下歯科でもすでに変形した頭の形を整えるサポートを開始する予定です。当院の準備が整うまでは沖縄のノブさんという、赤ちゃんの頭をまんまるに整える学校を主催している先生をご紹介しています。

 

少し気になるな、というお母さんの気づきはとても大切です。

 

生後3ヶ月までの時点で、変形が出てきているということは、変形する寝方が癖付いているかもしれません。それ以上変形させないように、一日でも早いアプローチをされると良いでしょう。

 

また、枕で少し顎を引く姿勢を作ってあげることで舌が上顎を刺激し、上顎が成長していきます。深い鼻呼吸は赤ちゃんの質の良い睡眠にもとても大切です。

 

沈み込まない布団で上から重力をかける

あかちゃんを抱っこする際Cカーブを意識して丸く抱っこしてげることは大切なのですが、常にその姿勢が良いというわけではありません。

 

特に新生児のうちは、Cカーブの姿勢を作ってあげるとよく寝てくれることもありCカーブの姿勢でねるたためのグッズや授乳クッションを使ってまんまるに寝かせる方もおられます。

 

しかし赤ちゃんの背骨はこれからCカーブからS字カーブに成長していきます。

人間の背骨がまっすぐでなく緩やかに湾曲したS字カーブを描いている理由は

 

重力に耐え重い頭を支えていかなければならないからです。背骨がS字カーブになることで体重をうまく分散して重力に耐えることができ歩いたり走ったり飛んだり、動いたりする時の地面からの衝撃を背骨のカーブがうまく吸収して、衝撃から脳を守るようになっています。

 

無重力状態のお腹の中から重力のあるこの世界で生きていくためには重力を全身で感じ切ることも大切です。深呼吸の時に手を広げるのと同じで、仰向けで体全体を広げることは肺をしっかり使った深い呼吸にもつながります。

 

ねんねの時は赤ちゃんが重力の力を全身で受けられる少し硬めの布団(普通の布団)で寝かせてあげ、抱っこの時はCカーブの抱っこで抱いてあげる、この両方のバランスを大切にしましょう。

 

このような情報を聞くとこの子育てグッズはどうだろう、我が家のマットレスは?と気になる方もおられます。その道具や環境が赤ちゃんに合っているか(呼吸がちゃんとできているか)の判断は

体がリラックスしているかどうかです。お腹を触ってみて張っていないかチェックしましょう。

 

余談ですが、最近は取り外しができるチャイルドシートもあり、あまりねんねをしない子の場合は車で寝かせてそのまま、、、ということもあるかもしれません。

 

同じ姿勢で長時間寝ていると頭の変形にもつながることがあるので、お母さんの心や体の状態に余裕があれば、お布団に寝かせてあげましょう。

 

寝ない赤ちゃんは、お布団に置くときは足→お尻→腰→背中→頭という順番で体が着地するように置いてあげたり、体へのアプローチに書いてあることを実践されてみてください。

 

 

呼吸がしやすいように襟のボタンは外す

人は生きている時に常に呼吸を優先させ、呼吸がしやすい姿勢を取ろうとします。自分の手で喉に軽く触れてみると、呼吸をすること、唾を飲み込むことがしづらく感じると思います。

 

首元の詰まった服を着せたり厚着をさせると呼吸がしずらい状態になり体がそり返ったり、硬直したりリラックスした姿勢が取れません。正しい鼻呼吸のためにも洋服の着せ方にも注意しましょう

 

原始反射の邪魔をしないように厚着をさせない

何もできない赤ちゃんがこの世界に適応していくために体にインプットされたシステムそれが原始反射です。原始反射が原因で赤ちゃんが起きてしまうなどの理由から、おくるみに巻くといいよ!と聞いたこともあると思います。

 

眠りの妨げと言う意味では大人にとって原始反射はあまり良いものではありませんが、原始反射はしっかり必要な回数出させてあげることがとても大切です。(詳しくは歯並びのメカニズムで説明しています)厚着をさせることも原始反射の出現の妨げになりますし、前述した通り

 

おひなまきのタイミング

生まれたての赤ちゃんはまんまる姿勢が大好きです。赤ちゃんの皮膚は露出した脳と言われていて体全体を包み込むような刺激は赤ちゃんの成長にとても良い助けになりますし、

出産のタイミングが40週に満たない場合はおひなまきでお腹の中と同じ姿勢を作ってあげることは大切なのかもしれません。

 

一方で知っておいていただきたいことはおひなまきは赤ちゃんの原始反射の発現の妨げにもなります。手や足をぎゅーっと窄めた姿勢は、赤ちゃんが自然に動かす手足の動き、指を舌を使って舐めるという、発達に欠かせない動きの邪魔をしてしまいます。

 

また赤ちゃんの背骨は成長しているので、ずーっとまんまるで固定されてしまうと背骨の成長の妨げにもなってしまいます。まんまる『じゃない』時間もバランスよく作ってあげることで背骨の成長に見合った発育を促すことができます。

 

方法としては少し硬めの布団で仰向けで寝ることです。

仰向けの姿勢は重力を体全体に受けることができます。

すると胸(肺)が広がり深く呼吸をすることができるのです。

(見ている方も体を縮こめた状態と広げた状態で呼吸の違いを感じてみましょう。)

 

抱っこしている時は親御さんの腕の中でしっかり丸い状態を作ってあげて、寝ている時は重力を感じさせてあげる。

お雛まきの時間、仰向けで寝る時間、赤ちゃんをよく観察しながら両方を大切にしましょう。

 

 

寝てる時にそり返って、お雛まきでないと寝ないという場合は、授乳時に浅のみになっていて空気を吸い込んで、お腹が張っていたり、体が緊張していたりするかもしれません抱き方や授乳の姿勢を助産師さんに相談したりベビーマッサージや赤ちゃんと触れ合う童歌などyoutubeで検索すると沢山出てきます。そのようなものを活用してみられるのも良いかもしれません

 

 

長距離移動を避け安静にしておく

この時期、赤ちゃんの成長を一番促す行動は、安静にしておくことです。体が急速に発育しているこの時期の移動やお出かけはどれだけ気をつけても、赤ちゃんにとても負荷がかかります。

 

 

外界からの余計な刺激の遮断する

赤ちゃんは強い光や音に敏感です。リラックスしていると深く呼吸ができますが、外界からの強すぎる刺激で体の緊張状態が起こると、原始反射の適切な出現を邪魔する要因にもつながります。

またお母さんの体も刺激に敏感になっています。子供の元気とお母さんの元気はつながっています。お母さんの体の回復のためにも家の中でゆっくり過ごしましょう。

 

寝かせる向きを変えてあげる

この時期の赤ちゃんは体を自分で動かすことはできませんが目を動かすことはでき、動くものを追う動きが見られます。気になるものがあるとそちらを集中してみるのですが、その方向がいつも同じ方向だと筋肉の左右差を生んだり、頭の変形にもつながります。

 

赤ちゃんの寝かせる方向こまめに変えてあげると良いでしょう。バスタオルやクーファンの上に置いてあげると寝ている赤ちゃんを起こすことなく、向きを変えることができます。

 

他にもベビーベット等で、親御さんが話しかける立ち位置を頭の上からにするもの良いでしょう。目線が上に上がるとベロがより上顎につく力が強くなります。

 

 

 

赤ちゃんの体をたくさん触ろう(ベビーマッサージも⚪︎)

 

赤ちゃん皮膚は露出した脳と言われ、触れてあげる刺激が脳を育て、自分の体を認識するという意味でも、何かが触れたという感覚を味合わせてあげるのはとても大切です。

 

歯並びを育てるために大切な深い呼吸には体幹も大切になります。体幹はこれからずり這い、ハイハイ、高バイと全身の筋肉を使っていくことで強くなっていくのですが、体がうまく使えないと、ズリバイやハイハイも変則的になったり、高バイをしないということにも繋がります。

 

赤ちゃんの行う動きには一つも無駄なものはなく、床を這いながら進む『ズリバイ』を例に見てもその動きは複雑な関節の動き、筋肉と筋肉の連動が必要です。この時に、機能していない(抜けてる動作)箇所があるままで、次の動作にうつってしまうと、その歪みがどこかの発達のプロセスで起こってきます。

 

自分の体の感覚を脳に認識してもらうためにもたくさん触れてあげましょう。体の左右差をリセットする意味でもベビーマッサージもとても良いです。

 

余談ですが爪がなかなか生えてこない足の小指の爪があるとしたら、その小指の爪も毎日触ってあげることで生えてきます。人間の体は刺激によって正しく機能し、発育するのです。

 

泣き始めた時はお腹から声が出るまで待ってあげる

やってみるとわかるのですが、ふぇっふぇっという赤ちゃんの泣き始めの時のお口は小さくしか空いていません、この状態は口から酸素をお腹に入れ込む呼吸になっていて、お腹の中に余分な空気が取り込まれ、お腹が張りそり返り姿勢の原因にもなります。胃に空気が入っている分おっぱいを飲む量も少なくなることで頻回授乳が必要になることもあります。

 

お腹が張った状態だとまんまる姿勢の方が楽です。布団に置くとすぐに起きるというのは背中スイッチというより、体が伸びることでよりお腹がより苦しく感じられることも原因にあるのかもしれません。この状態で前述したような枕を作っても、おそらくうまく寝ついてくれないでしょう。

 

その対処法が泣いた時にすぐに抱っこしないことです。赤ちゃんが泣き始めたら、大きく口が開き泣き声が喉からの泣き声からお腹からの泣き声に変わるまでしばらく様子を見守りましょう。

 

よく観察するとわかるのですが、大きく口が開く泣き方をしばらく続けてあげると泣き声や呼吸の方法が変わります。

 

大きく開いた口では息を吸うとが難しく、逆により吐く呼吸になっています。息を吐く泣き方をすることで、お腹の余分な空気も外に出され、赤ちゃんの体は楽になります。また酸素を脳に必要量取り込むためには、息を吐ききることがとても重要です。

 

深く深く吐ききることで深い呼吸ができるのです。赤ちゃんは自分でこの呼吸のコントロールができません。泣くという行為が赤ちゃんに身についた深い呼吸をするための自然な動作なのです。

 

赤ちゃんは顔を真っ赤にして泣くので赤ちゃんと呼ばれています。その力強い動きが全身の発育にもつながるので、

 

赤ちゃんが泣いているときはすぐに抱き上げず、しっかり大きな声を出すんだよーと見守ってあげて下さい。(熱い、寒い、おむつが濡れているんなど、基本的な不快な状態は取り除いてあげてください。)

泣ききった赤ちゃんのお腹は柔らかく凹んでいてお顔もスッキリしています。

 

体の緊張をとるマッサージをしてあげる

どんなに気をつけていても、左右左や体の緊張は起こってしまうものです。

(リズム遊び金魚運動、ベビーマッサージ、身体調和支援、童歌)などで赤ちゃんの体の緊張や左右さをこまめにリセットしてあげましょう。緊張が強い子は触られることを嫌がることもあります。自分で難しく感じるときは専門家の方に相談されてみると良いでしょう。

 

 

 

お口が空いていたら唇に触れる

寝かせている時、抱っこしている時、お口が空いてたり、唇をそっとめくってみてベロが上顎についていない時は綿棒で口の中にそっと触れてみてください。この時期は口にものが入ると吸おうとする吸啜反射があるので、その反射によって舌を上顎につけたり、唇を閉じさせることが簡単にできます。もし唇に触れても、口を閉じない、上顎にベロがつかない時は、姿勢を見直しましょう。

頭がそり返っている場合はその力に引っ張られて口を閉じることはできません。

 

また、唇に触れるときはできるだけ下唇の真ん中に触りましょう。真ん中に触れることで自分の体の中心がどこかを理解するサポートができます。

 

唇だけではなく、おむつ変えの時に両足裏を体の真ん中で合わせてあげたりするのも良いでしょう。中心軸ができると、大きくなってから体を自由に思いどりに動かすことができます。バランスの良いハイハイ、歩行、左右差をつくらないようにするためにとても有効です。

 

お母さんのいろんな表情を見せてあげる

歯が並ぶ顎はベロや頬っぺたにある沢山の筋肉が連動して動き力が加わることで、成長していきます。それらの筋肉が正しく動くようになるためには、その筋肉はこう使うんだよーと教えてあげることが大切です。

 

赤ちゃんは大人の表情をよーく見ていて、その表情を真似します。

 

お口を大きく開けたり、ベロをベーと出したり、口を尖らせたり、タンタンとベロを鳴らしたり、お口の筋肉の使い方のお手本をお母さんお父さんの表情を通して、見せてあげましょう。

 

 

お口の周りを手で触れてあげる

赤ちゃんの体や脳は刺激によって成長するように、お口も刺激することがとても大切です。何度も触れることで、そこが自分の体であるという認識をさせてあげることができ、またその刺激でお口を閉じてくれますし、固形の離乳食や歯ブラなど異物の刺激を受け入れるための準備にもなります。

 

口元に自分の当ててあげ、舐めるサポートをしてあげる

胎児エコーでも目にするように赤ちゃんは自分の手が口元に当たると、舐めるという動作をします。この舐めるという動きは生後6ケ月ごろから始まる離乳食を進める上で大事なベロを育てる上でとても大切ですので積極的にやらせて上げましょう。

 

しかし向き癖が強くなると、反対の手を舐める機会が減り、ベロの動きも変則的になる可能性があるため、両方の手をバランスよく舐められるように、あまり舐めない方の手を口元に持って行き、舐められるサポートをしてあげましょう。

 

赤ちゃんの手を動かす時には手首だけを引っ張って動かすのではなく肩甲骨と手首両方を支えながら優しく動かしてあげましょう。

 

 

おまけの一言

出産直後のボロボロの体で、節々の痛みに耐えながら、育児に奮闘するお母さんに、沢山の情報をお伝えするのは、とても心苦しのですが、これまでお伝えしたことは決して歯並びのためだけではなく、赤ちゃんの心と体と脳の発達を手助けするとても大切なことです。

 

叶うならば、妊娠中に何度も読んでいただき、出産後は体を休めることと、書いていることを思い出しながら無理せず少しだけ意識する程度にやっていただくというのが理想です。

 

このHPを見ているあなたの周りに妊娠中の女性がおられましたら、このHPのリンクをお送りいただけますと幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

この頃の発育

体の発育(粗大運動

手で顔を触れる

右左どちらかを向いているが次第に

この時期の特徴

 

お口の特徴 ベロの動きは前後に動く

体の特徴

認知機能の特徴