初めての離乳食はわからないことだらけですね。何をいつどれくらい食べさせればいいの?

アレルギーを気にしたり、スケジュールを組んだり調理のレパートリーを調べてみたり、お出汁の取り方を勉強したり、あれこれ考えて用意するだけで一日が終わってしまいます。

 

その上一生懸命に作った食事を噛まない、丸呑みする、吐き出す、全く食べてくれないとなってしまうとお母さんが感じるストレスは相当なものです。

 

また食事はしつけの場になりやすいため、ちゃんとマナーをしつけなきゃ!という強い気持ちから、食事の時間が家族にとって辛い時間になることもあります。

 

食事を噛まないことやお行儀も含め子供たちの食事中の困りごとには全て訳があり、お口と脳と体の発育が大きく関連しています。

こちらのページで全て解決とは行かないかもしれませんが、何か解決の糸口になれば幸いです。

(おすわり期の暮し方で離乳食の時の姿勢について詳しく説明しています)

またこのページではいつどれくらいの栄養素を摂取すれば良いかということには触れていません。

 

歯並びが育つ離乳食の上げかた

 

食べる(嚥下、咀嚼)ということは全身運動です。目で見て食べ物の量を認識して、手が上手に食べ物を掴んで、無事に口に運んでくれて、唇が閉じて噛んでいるときに舌が食べ物をとらえて、頬の連動しながら飲み込める形にしてくれて、さらに舌が食べ物を喉の奥に運んでくれた時に、始めてゴッくんと飲み込むことができ、食物を自分の体の一部にすることができます。

 

体調が悪くてお粥を食べるとき、必ず状態を起き上がらせて食事をするように、飲み込むという動きも姿勢が安定していなければできません。

 

全ての動きが絶妙に連動して『食べる』ことができるのです。

 

(歯が並ぶ顎を育てるために正しい咀嚼と嚥下がどれほど大切なのかは『歯並び基礎知識』で説明しているので、必ずそちらもお読みください。)

 

離乳食の開始時期

多くの方が離乳食の開始を月齢や赤ちゃんが欲しがったら、などのタイミングで始められます。その開始時期は様々な学者さんによって見解が違い、どれを採用されるのか、お母さんに委ねられています。

 

答えの難しいお話しですが噛む(咀嚼)飲み込む(嚥下)というお口の機能ができる状態になってからスタートするという観点で書かせていただきます。

 

体の動きでみる離乳食の開始時期

1、ベロがお茶碗のように窪んだ形になっている

2、支えた状態でおすわりができる(腰すわり)

3、うつ伏せの姿勢で肘をピンと伸ばして頭、上体を持ち上げられる

他にも

4、赤ちゃんがお母さんの食事の様子を興味深くみている

5、たくさんのよだれがでている

 

ことです。

 

1、ベロがお茶碗のように窪んだ形になっている

私たちのベロは右でも左でも自由に動かすことができると思いますが、生まれたての赤ちゃんはおっぱいを飲むために必要な動きしか動かせません。おっぱいを咥え、舌を押し当てながら前後に動かす動きです。

 

その動きがやがてずり這いをしっかりすることで右左に動かせるようになり、ベーッとベロを出したり、ベロの両脇が持ち上がり、窪んだ状態になります。

 

このベロがお茶碗のように窪んだ形になったときが離乳食の開始時期の一つの目安です。

私たちが食事をするとき、食べ物がほっぺたと歯茎の間に挟まるということはあまりないと思います。これはベロの外側が、真ん中に食べ物を集め一つの塊となるようにコントロールしてくれているからです。

 

この状態になっていなければ、お水はダラダラとこぼれ落ちてしまいます。

 

口に入ってきた食べ物を1箇所にまとめ、上顎に押しつけ、喉の方に送る、この一連の流れができる状態が目安となります。

 

2、支えた状態でお安定したすわりができる

前述したように、食物を口に入れ、飲み込むまでにはベロが正しく機能することが大切です。正しく機能するとは、舌が上顎に押しける動きができる状態です。

歯並び基礎知識でもご説明しましたが、赤ちゃんのベロの位置は姿勢によって変わります。

 

お母さんの太ももに乗せて座らせたときに、背筋を伸ばし、顎がひけている状態を自分で作ることができていれば、体幹が整い、舌をコントロールすることができます。

 

離乳食は食物を舌と上顎で押しつぶす動きが必要です。その動きができる姿勢を支えながらでも、自分で維持できるかどうかを確認しましょう。このときに支えてあげる側の姿勢が大切になりますがそれは後ほどご説明します。

3、うつ伏せの姿勢で肘をピンと伸ばして頭、上体を持ち上げられる

この姿勢ができているかどうかを確認しましょう。咀嚼や嚥下は左右合わせて48の筋肉が連動して行われています。この筋肉の中には肩甲骨につながっている(起始)しているものあり、肩甲骨がしっかりと動く状態になっていることも一つの目安です。

 

うつ伏せもよく観察すると沢山のステップがあります。

1、肘は真横に引いたままで頭は持ち上げられないうつ伏せ

2、肘を真横に引いたままで手をつき頭を持ち上げられるうつ伏せ

3、手を肩よりも前に伸ばしたうつ伏せ

4、体の上半身を腕で支え持ち上げることができる肩甲骨まで使ったうつ伏せ

 

お子さんのうつ伏せ姿勢を確認してみましょう。

4、赤ちゃんがお母さんの食事の様子を興味深くみている

5、たくさんのよだれがでている

 

これらも離乳食開始のサインです。

 

姿勢や発達の状態は観察してみたけどよくわからないという方もおられると思いますので、

いくつか当てはまるものがある場合は始められてみても良いでしょう。

 

始めたときに口からダラダラでてしまったり、むせる場合はまだ早いというサインかもしれません。

しかし準備はできているのに、食べさせる姿勢の問題でうまく食べられない場合もあります。

次の項目では離乳食を食べさせる姿勢についてご説明していきます

 

 

離乳食を与えるときの姿勢

離乳食をあげるときには、下半身がしっかり安定していることが大切です。離乳食開始サインがあっても腰の座りはもう一歩なので、お母さんの太ももの上に乗せて食べさせてあげましょう。

 

このときに気をつけることは、

必ず足の裏をつけさせるということ、赤ちゃんの骨盤が前傾になるように、お尻の下にバスタオルをひいてあげることです。

 

骨盤が倒れた状態だと猫背の姿勢になり顎が上がりやすくなります。顎が上がると、ベロが喉の奥に引っ張られて、舌をうまく使えません。

 

また、バウンサーやお座りを固定するグッズで、おすわりをさせて離乳食をあげるのは好ましくありません。バウンサーもおすわりを固定するバンボも赤ちゃんが動き出しにくいように骨盤が倒れた状態になっています。親にとってはありがたい機能なのですが、発育の妨げになることがあります。(詳しくはおすわり期の暮らし方参照)

 

子ども椅子に座らせない

離乳食がスタートするとなるとテーブル付きの子ども椅子を用意さされる方が多くいらっしゃいますが。多くのテーブル付きの子ども椅子では、座らせると足がつきません。

 

足がつかないと重心をお尻で支えることになり、骨盤が倒れ、猫背になり舌がうまくつきません。

そのため、離乳食の始めの時期には道具を使って座らせないことをお勧めします。

 

お口の開け方をチェックしよう

体が後ろに倒れていると、お口の開け方が間違った開け方をしてしまうことがあります。

通常口を開けるときには下顎があき上顎は動かないのですが、体が後ろに倒れていると上顎(頭全体)が首(頸椎)を支点として開ける口の動き方をします。

 

このお口の開け方は首の骨の成長の邪魔をしてしまいます。首の骨の成長はベロの動きと連動しているため、下顎を開けるお口の開け方になるように姿勢に注意しましょう。また姿勢だけでなく

食べさせ方も非常に重要です。詳しくは後ほど説明します。

 

子ども椅子の出番はいつ?

それは自分の力だけで、足をつき背中をピンと伸ばせるときです。なので離乳食椅子の購入は姿勢の状態を見て決めるのが良いでしょう。しかし、この姿勢を取れるようになってもテーブル付きの椅子に座らせると足がつきません。お勧めは変化椅子という向きを変えると高さが自在に変えられる椅子で、机は座卓が良いでしょう。

 

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離乳食にしつけは必要?

座卓で離乳食を開始すると全てをぐちゃぐちゃにされてしまいますが、それがとても大切です。

10ヶ月くらいまでの離乳食は遊びと同じ、スプーンを振り回したり、投げたり落としたり、それを拾ったり、手も足もベタベタになるくらいまで思う存分その感触を味わってもらってから、スプーンで離乳食をあげるとよく食べてくれます。小さな頃から癖づけるために、決してたつことを許さなかったり、食器を投げないように訓練しようとしてしまうと、思いのままに体を動かせないので必要な発達の時間を無くしてしまうばかりか、食事は怒られてばかりの嫌な時間になってしまい、それが原因で食べないということにもつながる場合があります。

 

ずり這い期の暮らし方の冒頭で少し説明していますが

欲求を我慢する力は脳の一番外側である大脳辺縁系の発達ができて出来る行動です。

まずは脳を育てるために離乳食をぐちゃぐちゃにさせてあげられる環境を作りましょう。

 

この時期だけでも、カーペット、ソファなど汚れると困るものは別の場所に移動し、汚れたらふけばオッケー!むしろ掃除ができてラッキーくらいの軽い心持ちで向き合いましょう。

 

 

離乳食の形態と一口の量

『離乳食を食べてくれない問題』の一番の原因はお口の機能と離乳食の形態が合っていないことです。

まだおっぱいしか飲んだことのない赤ちゃんに刻んだ離乳食をあげてもむせてしまいますよね?

 

他にも野菜を吐き出すのは繊維質のものを処理できる機能がまだないからです。

 

お口は今の自分に食べられる食材を見極め、判断する力があるので、これを飲み込んだら窒息してしまうと察知すると、吐き出します。

 

そのため、離乳食は形態と一口の量を今のお口で処理できる量にコントロールすることが大切です。

 

離乳食の最初の形態とは?

離乳食のまず始めは野菜を煮込んだスープを舐めることからスタートします。

これは味を感じるためです。

赤ちゃんの味覚の扉は生後4ヶ月くらいから開かれると言われていて、最初に塩も出汁も入っていない野菜の旨みが溶け出したスープをほんの少し舐めさせてあげましょう。

 

食材の旨みを感じるセンサーは上顎にもあり、ここで味を感じたいと自然に舌が上顎に押しつけられます。

 

大人にとってはなんの味も感じられないかもしれませんが、味覚を感じる味蕾が大人の100倍?ある赤ちゃんにとってはちょうどいい味なのです。

 

このときに味が濃いもの(大人が美味しいという味)を与えてしまうと、舌を上顎に押しつけなくても味わうことができるため、舌が動く機会を逃してしまいます。

 

味覚を味わい、ベロを自分の力でつけるという体験のために野菜スープを舐めさせてあげましょう。

 

次にしっかりすりつぶしたペースト食です。

食べるというと噛むことをイメージするかも知れませんが、歯がない赤ちゃんが一番最初に獲得する機能は飲み込むという(嚥下)の機能です。

 

この嚥下もただ飲み込めばいいというわけではありません、食物をお口で捉えたら唇を閉じ、舌を上顎につけて飲み込む、これが正しい嚥下です。

 

ベロが上顎を押す力で上顎が成長し、ベロが上顎に吸着し引っ張られるような動きで下顎の骨が長くなり、歯がきちんと噛み合う高さのある噛み合わせが出来上がります。

 

このベロの動きを促すためには、粒があってはいけません。

 

やってみるとわかるのですが少しでも粒があると、噛もうとする動きになってベロが使えないのです。

 

また粘度も重要でさらさらすぎてもいけません、さらさらだと舌を使わずにゴクンと飲み込んでしまいます。量が多すぎても同じことが起こるため、

 

一口の量は離乳食用のスプーンの3分の1くらいの量が適切です。

 

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また最初に与える食材でおすすめされるのはお粥だと思いますが、お粥は実はとても甘く、お粥の味に慣れてしまうと、野菜それぞれの甘みの感度が鈍くなってしまうと言われています。

 

まずは野菜ペーストをでほんのりとした甘みをしっかり感じさせてあげましょう。

 

離乳食をあげているときはお口の動かし方をよく観察しましょう。

舌を使っているとちゃっちゃという音が聞こえます。

 

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しばらくその形状の離乳食を続けたら次は少し粒を残します。

この時も必ず舌で潰せる硬さにしましょう。

 

刻んだ野菜や固形の粒の食事はどれだけ細かく切っても舌で潰せる柔らかさでなければ、

歯がない赤ちゃんは嚥下がうまくできません。

 

奥歯が歯が生える一歳半以降までは全ての食材は舌で潰せる柔らかさのものをあげましょう。

 

一方で前歯を使った食事もとても大切です。

離乳食をあげているとき、赤ちゃんはお母さんの持っているスプーンや食器を奪って投げ遊んだり、ガジガジ噛んだりするでしょう。前歯が生えているということは前歯を使いたいのです。

 

なので舌で潰せる柔らかさに蒸したにんじんや大根、ジャガイモを手づかみ食べできる大きさに切って、遊びがてら渡してあげると良いでしょう。

かじることで前歯を使うこともできますし、食材が柔らかければ、それを自分のベロで潰して食べることもできます。

 

離乳食開始の時期から一口の量を少量ずつでコントロールしていると、手に持った食材を詰め込むこともしませんし、仮に蒸し時間が短く、食材の硬さが赤ちゃんのお口の機能に合っていなかったらかじった後にきちんと吐き出します。

 

早く食べさせたいからとスプーンいっぱいにペーストを乗せて、舌を使う動きをさせてあげていないと、自分で一口の量のコントロールができず詰め込んでしまったり、危険センサーが作動せず、そのまま丸呑みしてしまいます。

 

手づかみ食べをしてみて詰め込み食べをする場合は、離乳食の初期に戻って舌を育て直してあげること、また普段の暮らし方でも、舌がつく状態であったかを見直す必要があります。

 

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離乳食をあげるときのスプーンの使い方

 

人間が食物を飲み込むためには必ず口を閉じることが大切です。

試しに唾を口の中に溜めて、唇を開けた状態で飲み込んでみてください。

唇を閉じることができないと陰圧が作れず飲み込みができません。

 

母乳を飲む赤ちゃんは大きく口が開いていますが、おっぱいでお口を塞がれて入るため、飲み込むことができています。

 

離乳食では、まず自分の力で口を閉じてもらうことを意識したあげ方をしましょう

 

手順は

食事に集中するためにテレビを消す

1、足がついた前傾姿勢を取らせる(座らなければ立ってOK、床に座るのも⚪︎)

2、離乳食をスプーンの3分の1の量乗せる

3、スプーンに乗った離乳食を見せる

4、下唇の真ん中にそっと触れる

5、少し引いて自分で口を開けるのをまつ

6、スプーンは動かさず自分で咥えに来るのを待つ

7、スプーンは引き抜かず自分の唇でスプーンについた食材をこさぎとるのをまつ

 

これが一連の流れです。

 

スプーンを口に入れてたり、食材がスプーンに残るからと上唇に擦り付けるような動きをすると口を閉じる力をつけるチャンスを逃すだけでなく、上唇が捲れ上がった口元になります。

 

離乳食を与えるのではなく、食べに来てもらうことを大切にしましょう。

 

おすわりができる頃から始める手掴み食べ

 

離乳食の食べさせ方の4で『下唇の真ん中にそっと触れる』と書きましたが

この真ん中で触れることがとても大切です。

 

手掴み食べ

食器の選び方

 

以下未編集ーーーー

 

 

 

スプーンの厚み

 

またおっぱいが浅のみになっていたり、舌が上顎についていない状況で暮らしてきた場合、喉の奥に舌が触れるという刺激をあまり経験していないため、食事を嫌がることがあります。